DERMAL FIBROBLASTS

肌細胞(真皮線維芽細胞)について

私たちのカラダは、たった1個の受精卵が細胞分裂を繰り返してできたものです。誰もが、時間をどんどん遡ると、たった1つの細胞(受精卵)から始まります。1つの細胞が分裂を繰り返し、筋肉や血液、心臓、肝臓…といったすべての要素を作ります。それは肌も同じです。
つまり肌には肌の細胞…「肌細胞(はださいぼう)」があるということです。

しかし、「肌細胞」は医学的用語ではありません。正確には真皮線維芽細胞(しんぴせんいがさいぼう)と言います。

このページでは肌細胞(真皮線維芽細胞)について詳しく解説します。

Contents
  1. 肌細胞(真皮線維芽細胞)ってどんな働きをするの?
  2. 肌細胞(真皮線維芽細胞)と老化の関連性

肌細胞(真皮線維芽細胞)って
どんな働きをするの?

肌細胞(真皮線維芽細胞)は、お肌の真皮にある細胞で、肌を構成する三大要素である「コラーゲン」「ヒアルロン酸」「エラスチン」やタンパク質を作り出し、肌のハリや潤いを保つ働きをしています。若い時のお肌にハリと潤いがあるのは、肌をメンテナンスしてくれる肌細胞が沢山ある状態だからです。

真皮線維芽細胞(しんぴせんいがさいぼう)の写真

肌細胞(真皮線維芽細胞)が作る3大要素

1.肌にハリを与える
コラーゲン線維

コラーゲン線維は、真皮の70~80%を占める最も重要な要素です。肌にハリや弾力性を持たせます。例えるなら、免震構造の「柱」。表皮と皮下組織を支えています。

2.潤いを与える
ヒアルロン酸

なんとたった1グラムで500グラムの水分を抱え込むことができる高分子多糖類の1つです。プルプルとした状態になって、いつも同じ量の水を含んでいるようコントロールしています。表皮の潤いにも影響します。

3.弾力性を維持するための
エラスチン

エラスチンは、「柱」であるコラーゲン線維をとりまくように存在し、肌に柔軟性と弾力性を持たせます。例えるなら「バネ」。お肌を指で押しても押し返してくれるのはコラーゲン線維も含め、エラスチンのバネのような働きのおかげです。

肌細胞(真皮線維芽細胞)はどんなときに働くの?

肌細胞は、常に「コラーゲン」「ヒアルロン酸」「エラスチン」やタンパク質を作り続けているわけではありません。肌のコラーゲンなどのタンパク質が、紫外線のダメージや乾燥などの影響で壊されたときに、壊された量だけ新たに作るのです。無尽蔵にコラーゲンが作られるわけではありません。

また、例えば転んで皮膚の怪我をしたときにも、肌細胞は盛んにコラーゲンなどのたんぱく質を作り始めます。医学用語ではこれを創傷治癒機転といいます。

つまり皮膚を作り出す工場のようなものが肌細胞(真皮線維芽細胞)なのです。

創傷治癒機転(そうしょうちゆきてん)を応用した治療法について

メスや注射器を使わない「レーザー治療」と総称される光、電磁波、超音波などを用いた肌の治療の多くは、肌細胞にダメージを与えることで活性化させる、創傷治癒機転を応用した治療法です。
ダメージを受けた=怪我をした時と同じ状態だと認識した肌細胞が、コラーゲンなどのタンパク質を作り出すことで、お肌のハリや弾力を高める効果を狙ったものです。

肌細胞(真皮線維芽細胞)
老化の関連性

私たちはたった1つの細胞から始まり、細胞分裂を繰り返すことで成長していきます。
しかし、肌細胞も無限に細胞分裂を繰り返すわけではありません。肌細胞の数は20歳を超えると減少していき、50歳になる頃には、3分の1ほどになってしまうと言われています。

肌細胞(真皮線維芽細胞)が減少するとどうなる?

肌細胞が減ってしまうということは、「肌にハリや潤い、弾力を与える力」が減ってしまうということです。つまり、お肌のハリや潤い、弾力が失われ、シワやたるみができやすくなるのです。

肌細胞に光や熱などで刺激を与えて、創傷治癒効果により活性化させる=肌細胞に働いてもらい、コラーゲンなどの産生を促す治療法は多くあります。
しかし、肌細胞そのものの数を増やせる治療法は「肌の再生医療」しかありません。

肌の再生医療とは

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