SKIN COLUMNS

肌コラム

【医師執筆】医師による肌の再生医療の解説

この記事は野洌(やす)義則(よしのり)医師が執筆しました

RDクリニック大阪 院長

1997年自治医科大学卒業後、滋賀医科大学 循環器・呼吸器内科、公立高島総合病院 内科、竜王町国民健康保険診療所を経て、2014年RDクリニック大阪 院長に就任。

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日本再生医療学会のサイトでは、「再生医療とは、機能障害や機能不全に陥った生体組織、臓器に対して、細胞を積極的に利用して、その機能の再生をはかるもの」であるとしています。「肌の再生医療」をこれに当てはめてみますと、「機能障害に陥った肌(真皮)に対して、肌細胞(真皮線維芽細胞)を増殖・移植することにより、肌の機能の再生をはかるもの」ということになるかと思います。

肌すなわち皮膚の機能としては、体温調節・知覚・呼吸・吸収など、さまざまなものが挙げられますが、最も重要なものは外力からの保護作用でしょう。柔軟性、弾力性を持ち、水分保持能力を有した肌が、言わばクッションのようなものとなり、機械的な外力や外部からの異物の侵入を防ぐはたらきがあります。この肌の機能には、真皮が大きな役割を果たしており、その真皮を構成している主な成分が、真皮線維芽細胞が作り出すコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸です。

肌の機能が低下する・障害を受けるとは、肌の老化により弾力や柔軟性が失われた状態になっているということです。真皮線維芽細胞が加齢とともに機能が低下し、その数も減少します。そのことによりコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の生産能力が低下し、肌の機能低下をきたすことになります。肌の弾力や水分保持能力が低下しますと、当然、シワやたるみが出て、若いころのようなハリのある肌ではなくなります。

このような老化した肌の機能の再生をはかる、根本治療が、肌細胞(真皮線維芽細胞)移植です。耳の後ろから皮膚を採取し、細胞培養センターで肌細胞の抽出・培養を行います。大量に培養増殖された肌細胞を真皮に移植することで、コラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸の生産能力が高まり、これまでよりもよい状態の真皮が作られ、さらに、その状態を維持する能力も向上します。つまり、真皮の修復・再生が行われるということであり、肌のハリがよくなり、シワやたるみが改善していきます。移植された肌細胞は、元々いた細胞と一緒に、肌の中で生き続けるため、改善した状態が急になくなるということはなく、その効果が長期にわたって保たれます。そのため、現在の老化症状の改善だけでなく、今後生じる老化を予防し、遅らせることもできます。

しかし、これらの大量に移植された肌細胞も、残念ながら、元々の肌細胞と同様に、少しずつその数は減少していきます。当然、細胞1個1個の老化、すなわち機能低下も起こります。そのため、肌の機能をできるだけ高い水準で維持するには、皮膚採取時点の年齢の若い肌細胞を保管して、1~2年ごとを目安に、定期的に追加移植を行うことをおすすめしています。肌細胞は、液体窒素タンクで、皮膚採取時の年齢の能力を保ったまま、半永久的に保管することができます。将来の自分の肌に、いつまでも年を取らない若い細胞を補充していくことで、今後、どれだけ年齢を重ねられても、生涯にわたって、肌の機能の再生をはかることが可能です。

は、
2005年に日本で初めて誕生した
「肌の再生医療」専門クリニックです。

はだ再生医療さいせいいりょうとは?

肌の“真皮”部分にある「肌細胞(真皮線維芽細胞)」を移植して増やすことで、老化症状が起こる前の肌本来の状態に戻す治療です。

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